6人のエージェンシーリーダーが改めて考える今と未来のブランド戦略
今回は、いままでの「普通」、「ノーマル」がコロナ禍、またはアフターコロナで変容していくと思われるなか、今後の「新しい普通」「ニューノーマル」について、アメリカの著名な広告代理店代表の方々のコメントを見つけました。
Think with Google May 2020 公開
・タイトル:Navigating the coronavirus: How 6 agency leaders are rethinking brand strategy now and for the future
・著者:Sandie Thoma (US クリエイティブ・パートナーシップ Google)
・原文(英)記事はこちら
・訳:加藤ジェームス
目次
- コロナ禍でのナビゲーション
- Embrace the opportunity for a mindset shiftマインドシフトのチャンスを喜んで迎えいれよ。
- Adapt your internal score card to measure success心のスコアカードで成功を計るべし。
- Invest in ‘real talk’ with real people実際の人々の実際の言葉に投資しろ。
- Create value where it is needed most価値を生み出すなら、それが最も必要とされている場所に。
- Navigate messaging challenges with creative testingクリエイティブなテストで伝えることへのチャレンジを乗り越えろ。
- Look to audience signals to uncover the ‘new normal’オーディエンスからの信号を見てニューノーマルを見破れ!
- 後記
コロナ禍でのナビゲーション
6人のエージェンシーリーダーが改めて考える、今と未来のブランド戦略。
広告代理店はこのニューノーマルの中、どのようにブランドをナビゲーションしていくのか?
6代理店の代表たちのすばらしい考え方をご紹介します。
広告代理店は社会の混乱には慣れているものです。
広告代理店は、文化的、経済的、技術的な変革を迎えているとき、ブランドが必要とする専門家です。
そして最近では、多く広告代理店が自らの影響力に誇りを持ち、現状に挑戦し、これからの新しい普通・ニューノーマルに挑み、乗り越えることを目指しています。
コロナウイルスの発生が、現代で直面した最も破壊的なものに発展する中、代理店はブランドが前例のない新しい現実に立ち向かうのを支援しています。
このような急激な変化の中で、現在の状況を正確に把握しておくことが、これまで以上に重要になってきています。
戦略担当にとって、これはリアルタイムでデータを収集し、新た行動の発見、目標と成功を再考し、そして鋭い洞察力を持った新しい視点の発見、創造することを意味します。
私(Sandie Thoma)は最近、6人のストラテジスト(戦略専門家)やエージェンシー(代理店)のリーダーに話を聞き、戦略とデータインサイトに、今までとは違った方法で取り組んでいること、そしてブランドへのアドバイスを聞きました。
以下に彼らのコメントを紹介いたします。
Embrace the opportunity for a mindset shift
マインドシフトのチャンスを喜んで迎えいれよ。
記録的な販売実績を経験している多くのブランドも、「一晩の爆発的な売り上げ」という考え方から「ブランドを時間をかけて構築していく」という考え方に迅速に移行しなければいけません。
これは新しい課題ではありませんが、現在の状況では新しいレンズが必要です。 私は、基盤がしっかりしているブランド、つまり強い目的意識と視点を持っているブランドは、この変化を簡単に乗り切ることができると思います。
今こそ久しぶりにあなたと交流するかもしれない新しい顧客に向け、目的を示すときであると思います。
Adapt your internal score card to measure success
心のスコアカードで成功を計るべし。
私たちは、クライアントが何をすべきか見極め、正しいことを実行し、真の価値を提供する有意義な方法を模索するお手伝いをしています。
現時点では、従来の公平性の常識を超えた見方、実際に変化をもたらしたという人間的な指標を反映させる必要があります。
これが目標であるならば、成功策はそれをふまえてないといけません。
Invest in ‘real talk’ with real people
実際の人々の実際の言葉に投資しろ。
私たちは失業や病気の蔓延など深刻なトピックについて、構造化データの中を泳いでいます。
しかし、人々の希望や感情のような最も興味深い洞察は、測定するのが難しく、多くの場合「1つのフォーカスグループ」という形で測られます。
こういったデータがより必要なわけですが、そのためには当事者たちと継続的、定期的に話しをし、しかもよくいるリサーチャーが使うような言葉ではなく、友人や家族と話すときの言葉で話してみる必要があるのです。
Create value where it is needed most
価値を生み出すなら、それが最も必要とされている場所に。
厳しい真実はこのパンデミックが人々全員にとって平等ではないいうことです。
在宅勤務、テレワークではどうしようもない仕事やコミュニティがありますよね。
そんな人たちが何を感じているか、どうやってコミュニケーションをとっているかに焦点を当てることが、おそらく何が起こっているのかを理解するために私たちができる最も大切なことだと思うんです。
これらの人々を深く理解することで、パートナーが効果的であり本当に価値のある行動をとれるように支援できると思います。
前例のないパニックの時期に消費者にどのように話しかけるかを考えることは、卵の殻の上を歩くようなものですが、何も言わないこともまた、同様にリスクがあります。
通常の状況でさえ消費者の反応を予測することは難しく、ましてパンデミックの時期には、クリエイティブなテストに傾倒することが特に重要です。
ブランドはクリエイティブな戦略の情報提供と検証、そして必要に応じて軌道修正を行うために、何が共鳴しているのか、あるいはしていないのかに関するリアルタイムシグナルを必要としています。
Look to audience signals to uncover the ‘new normal’
オーディエンスからの信号を見てニューノーマルを見破れ!
私たちは洞察の情報源として検索データに大きく依存しています。
通常なら良い指標として、前年比のトレンドや最近の検索行動を頼りにすることができます。
しかし危機的状況に陥ると、リアルタイムで検索行動の変化に対応しなければなりませ。たとえば、パニックバイイング(パニック買い)は、大量の変動やイレギュラーを引き起こします。
今回の危機の長期的な性質から、最終的に「ノーマル」がどのようになるかを予測することは困難です。
できることとして、これらの危機による変動幅に対して境界値を設定し、この基準により再び不規則性がおさまるまで「ニューノーマル」、少なくとも「次のノーマル」を定義するよう試みましょう。
画像参照:Think with Google
著名な広告代理店の代表者たちがこんなこと言ってますよーの記事でした!
このコメントの奥深くを読み取れば、もしかすると!?とんでもない新しい次世代ビジネスがうまれるかも!!?
皆様はどうのように受け止められましたでしょうか?
後記
今までの常識や慣習にとらわれることなく、目まぐるしく変化していく新しい普通、ニューノーマルに迅速に対応、適応していくことが重要になりそうですね。
衛生管理やソーシャルディスタンス、接触を極力避けるなど、今ではもう常識となりつつありますが、要請、規制されてなど、受け身での対応ではなく、これからは自ら能動的に感染防止に努める時代になるのではと思います。
当社でも、オンラインを利用した会議、接客、サポートを実施したり、広告などでは新しいトレンドワードへの柔軟で迅速な対応を。ECでは世情ニーズに合わせた商品の掘り起こしや提案など、移り変わっていく”ニューノーマル”に、ポジティブにスピード感を持って向かい合い、対応していっています。
デジタルは変化することへの相性は比較的よいと考えています。
わたくしも、ニューノーマルでの新しいデジタルの活用や利用方法、日々模索中であります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
この記事を書いた人
加藤 ジェームス
アド・セイル デジタルプロモーションチーム ディレクター
英語も讃岐弁もペラペラです!侍になりたい。