なぜ一眼レフで撮影した写真の画質が悪くなるのか
目次
なぜ一眼レフで撮影した写真の画質が悪くなるのか?
自社のサービスや商品を魅力的に訴求するために必要不可欠な写真。
魅力を引き立てるにはできるだけクオリティの高い写真を用意する必要があります。
プロにお願いすると都度都度お金がかかるので、ご自身で一眼レフを購入し撮影される方も多いですが、いいカメラで撮影しているのにどうもボケたりブレたり、ノイズが出たりと綺麗に撮れない…という悩みをよく耳にします。
構図や見せ方は商品やサービスにより異なってくる部分ですので、
今回は、いかに写真の画質を綺麗に仕上げるかという点を軸に解説していきます。
Q.なぜ画質が悪くなる?
一眼レフ等の性能のよいカメラで撮影したのに画質が悪くなるのはどうしてか。
主な理由としては以下の2点が重なっていると考えられます。
- 撮影環境が暗い(光量が足りていない)
- Autoモードで撮影している
いずれかに当てはまると綺麗に撮れない!というわけではなく、の仕組みを理解せずに撮影すると自動で画質が悪くなりやすい設定になっている、ということです。
写真が撮れる仕組みを理解する
それではどのように写真が出来上がるかの説明をしていきます。
まず、カメラを使う上で覚えるべき3つの要素があります。
- シャッタースピード
- 絞り
- ISO感度
上記の要素が組み合わさることで写真が仕上がります。
それぞれどのようなものか順に解説していきます。
1.シャッタースピード(SS)
SSとはシャッターが開いて閉じるまでの速さのことです。
シャッターを開いたり閉じたりすることによって光の入る『時間』を調節しています。
開く時間が長いほど光が多く取り込まれるので写真が明るくなり、短ければ光があまり取り込まれず写真が暗くなります。
しかしこの特性上、動いているものを撮影する場合や、手持ち等カメラを固定せずに撮影する場合、開く時間が長いほどブレやすく、短いほどブレにくくなります。
シャッタースピード | 露光量 | ブレ |
---|---|---|
遅い(開いてる時間が長い) | 多い(明るい) | 生じやすい |
速い(開いてる時間が短い) | 少ない(暗い) | 生じにくい |
※ブレのイメージ(走っている人を撮影した場合)
数値が大きいほどシャッターが開く時間が短く(ブレにくいが暗い)、小さいほどシャッターが開く時間が長い(明るいがブレやすい)。
2.絞り(F値)
絞りというのは動物でいうところの瞳孔と同じです。
絞りの大きさを変えることによって光の入る『量』を調節しています。この絞りの大きさの数値を「F値」といいます。
F値を変化させると、露光量に加えて被写界深度(ピントの合う範囲)が変わってきます。
F値を開放した状態だと明るくなり、絞ると暗くなります。
しかし、開放すればするほどピントの合う範囲が狭くなり、ピントが合っているところ以外の箇所がボケやすくなります。
絞り | 露光量 | 被写体深度 |
---|---|---|
開放する(F値小) | 多い(明るい) | 浅くなる |
絞る(F値大) | 少ない(暗い) | 深くなる |
※ボケのイメージ(人間にピントを合わしている場合)
3.ISO感度
ISO感度はカメラに入ってきた光をカメラの画像センサーが感じ取る度合いのことを言います。
ISO感度を上げることは、電気信号を増幅することです。
ISO感度を2倍にすると電気信号は2倍になります。
つまり、ISO感度を上げれば上げるほど写真の仕上がりが明るくなるのですが、デメリットとしてノイズが増幅します。
※ISOが同じ数値でもカメラの年式や性能によりノイズの出方は様々です。
ISO感度 | 感度 | ノイズ |
---|---|---|
小さい | 低い | 少ない |
大きい | 高い | 多い |
※ノイズ増加のイメージ
このように、上記の3つの要素を組み合わせて使用することによって写真を表現したいイメージに近づけます。
撮影したい被写体・表現・イメージによって設定の組み合わせを変化させます。
上記を踏まえて、今回は「画質の良い写真」を撮れるようにするにはそうすればいいかを説明します。
前述した通り、仕組みを知らずに写真を撮ると画質が悪くなりやすい状況は以下の2つです。
- 撮影環境が暗い(光量が足りていない)
- Autoモードで撮影している
これがなぜかというと、
まずAUTOモードで撮影する場合でもカメラ側で「これくらいの明るさに写真を仕上げるよ」といった設定項目があります。
これを露出補正といいますが、この機能を知らずに使用している場合「0」になっていると思います。
※0が標準でこれより数値が大きくなるほど明るくなり、小さくなるほど暗くなります。
暗い環境で撮影しようとこの露出補正「0」の明るさに写真を仕上げるためにも頑張って光を集めなくてはならなくなります。
そのため、
- シャッタースピード→遅くなるのでブレる。
- 絞り→開放するのでピンボケしやすくなる。
- ISO感度→感度が高くなりノイズがでる。
上記のいずれか、もしくは組み合わさった状態で撮影し写真の質が悪くなるのです。
逆に明るい環境であれば上記のようなことは起こりずらくなります。
このように理由がわかれば改善方法が見えてきます。
が、とはいえどうしようもない場合もやはりあります。
カメラの使い方がわかったところで、撮影スペースが限られていたり天気の影響等のコントロールができない要素が関わってくるので、カメラの設定だけでは改善できない場合もあります。
じゃあどうすれば?
カメラの設定だけではどうにもならないような悪環境できれいに撮影するために以下の方法を試してみてください。
- 一脚や三脚を使う
- RAWで撮影する
- ライティング機材を使用する
一脚や三脚を使う
カメラが固定された状態で撮影できるので、シャッタースピードを遅く設定しても手振れせず撮影が可能になりますので他の設定(絞り・ISO)に融通が利きやすくなります。
ただ、少し撮影する角度を変えたりするだけでも都度都度配置調整しないといけないので手間はかかります。
RAW形式で撮影した写真を現像する
デジカメなどの多くには、Jpeg形式の他にRAW形式というファイル形式で写真を記録出来る物が多くあります。
写真を料理でたとえると、Jpeg形式は完成された料理なのですが、それに対してRAW形式は食材とレシピの指示書のセットで、まだ調理されてないものです。
RAW形式は専用ソフトでJpeg形式に変換する作業(現像)が必要になるのですが、明るすぎて飽和(白とび)してしまっていない限り、かなり幅の広い範囲での露出調整が行えますので、仮に暗めに撮影していても比較的劣化が少ない状態で写真を明るく現像できます。
ライティング機材を使用する
天気の影響などで室内が暗い場合、カメラの設定だけではどうしても改善が難しい場合があります。
その場合ライティング機材を補助光として使用することで光量を増やします。また白背景での物撮りでは自然光より発色がきれいになります。
まとめ
クオリティを求めるならば、結局のところある程度の知識や技量、手間も必要となってきます。
普通に自然光でも明るくきれいに撮れるのなら、いっそ高性能なカメラやレンズに揃えなおすという最終手段もあります。
が、安価なものではないですので可能なかぎり、お手持ちのもので工夫できるところは工夫し、カバーできるカバーしたいところですね。
そうこうしているうちに「あれ?わたし写真撮るの少し上手くなったかも・・・」なんて瞬間があるかもしれません。経験も大事ですよ。
後半少し駆け足になりましたが何か少しでもご参考になりますと幸いです。
この記事を書いた人
美貴 健太 Eコマースソリューション部 ディレクター
香川県高松市のデジタルマーケティング企業です。
お客様のビジネスでの課題にデータを活用し、スマートに解決する方法を共に見つけるパートナー企業です。
あなたのビジネスの水先案内人でありたい。
アド・セイルの「セイル」とは「船の帆」を意味します。晴れの日も嵐の日も、みなさまの未来への航海を、私たちがご一緒させていただきます。