Microsoft広告を始めるきっかけに知りたいこと

運用型広告


■はじめに

2022年5月31日から日本でサービス提供が始まった「 Microsoft広告 」。
Google広告やYahoo!広告からすると後発にあたり、まだ耳馴染みが無い方も多くいるかもしれないですが、弊社でも徐々に広告配信を実施している媒体です。


Microsoft広告はどんな広告?

Microsoft広告は、Windows OSやMicrosoft 365でお馴染みのマイクロソフト社が提供する広告プラットフォームです。
広告の種類としては、マイクロソフト社の検索エンジン「Bing」での検索広告・ショッピング広告、ブラウザ「Edge」やポータルサイト「MSN」、Webベースの無料メールサービス「Outlook.com」にテキストとバナーを入稿して配信するオーディエンス ネットワーク広告があります。
つまり、Google・Yahoo!と同様に検索結果画面やポータルサイト内に広告出稿が可能な媒体となります。


広告の掲載面について

検索広告とショッピング広告が表示されるBingは、Windows10以降のPCに標準搭載されているWebブラウザ”Edge”にデフォルトで設定されている検索エンジンサービスです。広告はユーザーが検索したときに表示される検索結果ページに表示されます。
オーディエンス ネットワーク広告は、EdgeやMSNのトップページやニュースなどのページ内で記事に溶け込む形で表示されます。 またOutlook.comのメール受信箱にも広告が表示されます。


リーチできるユーザー

日本では多くの人にWindowsOS搭載デバイスが利用されています。
WindowsOSを搭載したデバイスであれば、標準のブラウザはEdge、デフォルトで設定されている検索エンジンサービスはBingです。その初期設定のまま利用するユーザーは決して少なくは無いため、
結果多くのユーザーにリーチすることができるのです。
これらの性質を踏まえると、業務も含め日常的にPCを利用している会社員や会社役員、デフォルト設定のままPCを利用する中高年層との相性が良いと言えるのではないかと思います。

またWindows10、Windows11への移行に伴い、Bingの利用者は年々増えているようです。国内のデスクトップにおける検索サービスのシェアでは2022年8月時点でGoogleは72.19%だったのに対して2023年7月では69.49%に減少、一方Bingは、2022年8月は15.99%、2023年7月は20.82%となり、Googleがシェアを下げる中、Bingは増加しています。

Source: StatCounter Global Stats – Search Engine Market Share

まだまだGoogleのシェアは高いですが、Bingも可能性を秘めた媒体ではないでしょうか。

ターゲティング手法

Microsoft広告はターゲティング機能を使用して、特定のユーザーに広告を配信できます。
全ての広告タイプで設定できる配信地域設定は、国や県単位で指定することができます。その他ランドマーク、郵便番号、地理座標を中心に指定された半径でも設定可能です。
以下、オーディエンスネットワーク広告で設定できるユーザー属性に関しては、年齢、性別を指定することができます。

その他Microsoft広告特有のターゲティングとして、ビジネス向けSNS「LinkedIn」のプロフィール情報を基に会社名、業界、職種でのターゲティング機能もありますが、こちらに関しては2023年8月現在では、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、フランス、ドイツ 市場を対象とするキャンペーンでのみ使用できる機能となっています。

またオーディエンスネットワーク広告では、特定のオーディエンスリストを作成して広告を配信することができます。
オーディエンスの種類には、リマーケティングリスト、動的リマーケティングリスト、類似オーディエンス、カスタマーマッチリスト、購買意向の強いユーザー、結合されたリスト(オーディエンスを組み合わせたリスト)があります。

ターゲティング機能については以下に詳細をまとめました。

ターゲティングカテゴリ ターゲティング 詳細
ジオグラフィック 地域 国や県単位で指定可。その他ランドマーク、郵便番号、座標を中心に指定された半径でも設定可能。
デモグラフィック 年齢18 ~ 24、25 ~ 34、35 ~ 49、50 ~ 64、65 ~、不明の中から配信対象を選択。
性別 男性、女性、不明の中から配信対象を選択。
会社名 ※LinkedInプロフィール情報を基に、 特定の会社で最近働いたユーザーをターゲティング。
業界 ※LinkedInプロフィール情報を基に、 特定の業界で最近働いたユーザーをターゲティング。
職種 ※LinkedInプロフィール情報を基に、最近特定の種類のジョブを持っていたユーザーに対してターゲティング。
オーディエンス リマーケティングリスト サイトにアクセスしたユーザーのリストを作成して広告を配信。
動的リマーケティングリスト サイトで閲覧、検討、または購入された商品に基づいてリストを作成して広告を配信。
類似オーディエンス リマーケティングリストを基に、リスト内のユーザーと類似するユーザーのリストを作成して広告を配信。
カスタマーマッチリスト アップロードしたメールアドレスからリストを作成して広告を配信。
購買意向の強いユーザー Bingでの検索行動やMSNでのページ閲覧情報を基に特定のカテゴリに対して購買意向を持つユーザーのリストを作成して広告を配信。
結合されたリスト(オーディエンスを組み合わせたリスト) 複数の既存のリストを組み合わせてリストを作成して広告を配信。

※LinkedInプロフィール情報を基にした会社名、業界、職種のターゲティングは、2023年8月現在では、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、フランス、ドイツ 市場を対象とするキャンペーンでのみ使用できる機能となっています。

Microsoft広告の魅力

Microsoft広告の魅力として以下2つを紹介します。

競争の少ない広告環境

現時点では競争が比較的少ないため、広告の平均クリック単価(CPC)は一般的にGoogle広告やYahoo!広告よりも低い傾向です。そのためROIを向上させる可能性があります。

Google広告・Facebook広告・Pinterest広告からのインポート機能

既存のGoogle広告・Facebook広告・Pinterest広告キャンペーンをそのままMicrosoft広告に取り込むことができます。
これにより、新たな広告キャンペーンの作成にかかる時間とコストを削減し、すでに成功しているキャンペーンをMicrosoft広告のプラットフォームにも簡単に適用できます。こちらは広告運用者にはありがたい機能です。

オーディエンス ネットワーク広告の注意点

Google広告のレスポンシブディスプレイ広告に入稿するバナーの縦横比は横長:1.91:1、スクエア:1:1の2種類のみでよいのですが、オーディエンス ネットワーク広告は

・1.91 : 1(Microsoft オーディエンス ネットワーク ワイド画像用)

・ 1.78 : 1(Microsoft Edge シングル カルーセル用)

・ 1.5 : 1(MSN 記事内広告用)

・ 1.33 : 1(MSN の小さな見出し用)

・ 1 : 1 (Microsoft オーディエンス ネットワークの正方形の画像用)

と、全ての掲載面に表示させようとすると5種類の縦横比のバナーを用意する点に注意が必要です。

最後に

徐々に広告掲載面であるBingやEdgeのシェアを伸ばしているMicrosoft広告。
Google広告のキャンペーンをインポートすることができるので、既にGoogle広告を実施済みであれば実施も容易です。
Google広告やYahoo!広告を実施していて頭打ち感を感じる状況で、リーチを広げていく次の一手としてであったり、B2B商材や中高年世代への訴求媒体としてMicrosoft広告の配信は、有効な手段となるかもしれません。

この記事を書いた人

仙波 秀 デジタルプロモーション部

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