Webサイトを作ってほしいといわれたときに聞く話
こちらの内容は2021年9月30日に開催されたセミナーVol.2「Webサイトを作ってほしいといわれたときに聞く話」のものになります。
目次
1. 前回(Vol.1Webディレクターになりたいと思ったときに聞く話)の復習
異業界から転職者ですが、今は自信もって仕事してます!
ド素人だった私が、この数年でWebのアドバイザーとして、大手企業様とお話ができるようになった経緯を、お伝えしました。
結論:Webディレクターになることは、素人スタートでも可能。
いかにクライアント(顧客)の理解を深められるかが肝。
専門知識は、調べる力と聞く力があれば大丈夫。日々勉強の意識は大事。
顧客理解を深めるために必要なポイント
とことん話を掘り下げていくこと(まだ聞けない話がある場合は、秘密保持契約が必要になるかも)
お互いが頭でイメージしているものの行き違いがないように、的確な言葉と、時には絵を用いて表現し、認識合わせをしていくこと
Webディレクターに必要な要素(まとめ)
【私が常々気を付けていること】
・円滑なプロジェクト管理
・人を束ねるリーダーシップ
・コミュニケーション術
・人の考えを引き出す力
多くの場合 「○○なサイトを作ってよ」といった抽象的な表現での依頼が多いです。
こういった場合、クライアントにとってWebサイトの制作に携わるのは、初めての場合が多いです(上から”とりあえずPC詳しいしお前が担当な”と突如言われたり…)。となると、Webディレクターはクライアントよりは経験があるため、知識も対応力もあるはず。だからこそ、クライアントの依頼内容を言語化する力を持っています。
制作の数を経験することで表現方法を多く持つことも出来ますが、私はヒアリングをする時、全力で頭をフル回転させ、より多くの情報を齟齬なく読み取る努力をします。
さらに、言葉で表現できない時は、絵に描いて意思疎通することも大事です。
クライアント ⇔ 翻訳家 ⇔ 作る人(デザイナー・コーダー・エンジニア)
翻訳家の意味は、以下の2つがあります。
・クライアントの意図をくみ取り、作る人へ正しく伝える
・作る人の専門的部分をかみ砕き、クライアントにわかりやすく伝える
出来上がったときの「○○だと思っていたのに・・・」は、プロのWebディレクターとして決して聞いてはダメなセリフなのです。ここまでが、前回の復習です。
さて、本題。
一社員が言われるコトバ『会社のHPを作るから、お前担当な(笑)』
と、ある日突然言われても、 『えーーー!!』ですよね。
言われた担当者は、いったい何から始めたらいいか、誰に相談したらいいか、ものすごく不安になると思います。
Webディレクターは、クライアント担当者が、スムーズにプロジェクトを遂行できるよう、アシストします。
その際、抑えるべきポイントをご説明していこうと思います。
2-a. 人任せにはさせない、クライアントを巻き込む方法
【経営陣へ】
制作には相当な体力がいります。
●【誰に】【何を】【どのように】見せるか
経営者にとって企業方針を見直す・社員にとっても再認識するきっかけになる、サイト制作はオオゴトなのです。
● 社内意見のとりまとめ
実はこれが一番大変。一人一人の価値観はすべて異なります。かといって一人で抱え込むのは好ましくありません。
ワーキンググループを各部署から1~2名選出して作り、そのメンバーで取りまとめていくことをオススメします。
クライアント(なるべく上の方の人)に、相当な覚悟を持ってもらうことが大事です。
(方向性の確認は、会社の方針にもかかわってくるので、しっかり時間をかけましょう)
なんといっても、ホームページは、コーポレートサイトでもサービスサイトでも、会社の顔ですからね。
脅しではありませんが、この部分で『なぁなぁ』になると、ものすごく振り回され、結果自分が追い込まれてえらい目に合います(経験談)
それから、
【ホームページを作る】ことは、“目的”ではなく、
あくまで、クライアントの望む目標を達成するための、“一つの手段”でしかないことも、お忘れなく!
任せてしまえば楽 と思うのが人間の常。
作るのは制作部隊、方向性の定義や納得いく中身に取りまとめるのはディレクター…でも、
誰のための?何のための?プロジェクトなのか、
出だしで『一緒につくるんだ!』という意識を持ってもらい、巻き込みましょう
2-b. 人任せにはさせない、クライアントを巻き込む方法
【担当社員へ】
社内だけで考えると、
『HPを作ろう!』と上の人が言った
↓
誰が主担当?⇒担当者決定(本人の意思があろうがなかろうが)
↓
RFP(※ Request for Proposal(提案依頼書)の略)を作成※ない場合も多い
↓
どこの制作会社に依頼しよう
↓
ぐぬぬ・・・よくわからん(←イマココ)
みたいな感じになります。気持ちの面で、マイナススタートでは、やりがいなんて感じられませんよね。
先述の選抜チームを構成した方がいいですよと書いた、ワーキンググループの人たちに、『面倒な仕事を任されたなぁ』『いやだなぁ』と思わせないところから、我々の仕事は始まっています。
● この会社の一大事に関われることはものすごいこと
● 社内の重要な役割を担うことで、社内の評価も向上
ワーキンググループメンバーのモチベーションを上げるところから関わると、人間関係もできてスムーズに進みます(経験談)
作るホームページによっては、自社商品の売れ行きを左右する=会社の将来を左右するくらい大事な仕事です。
考え方を学び、0から形を作る仕事、そう、とてもやりがいのある仕事なのです。
盛り上げていきましょう!
3. 確認書面を作ってぶれのないサイト構築を進めるため
以下は、ほんの一部ですが、これらを経て要件定義をしていきます。
■打合せの議事録
打合せごとに、出席者・時間・打ち合わせした内容等、やり取りを事細かに議事録として残します。
議事録は、早めに出席者(関わっている関係者全員)に共有しましょう。
⇒ 言った言わないの揉め事をなくす目的が一つ。それから、作業に入る前の仕様書作成の確認資料とするため(結構初期に話した内容なんてうっかり忘れてしまうことも・・・という時の保険!)
■秘密保持契約(NDA)
ヒアリングする際、企業情報の取り扱い上、必要となる場合もあるため、ご確認を。
逆に言うと、そこまで踏み込んだ話ができるなら、クライアントも我々も未来はウィンウィンです!
■スケジュールの確認
制作着手する前は、正確なスケジュール表は作れませんが、
・いつまでに必要なのか
・スタートはいつ切れるか
をヒアリングの上、現実的なスケジュール感をお伝えしましょう。
■費用
やっぱり大事なお金の話。
他社サイトを見たり、リニューアルの場合は規模感を確認して、おおよそどのくらいの予算が必要か、概算を提示します。両者の認識に乖離がないよう確認した上で、確定すれば見積書作成、その後仕様変更の際は差額もしくは見積書の再提示していきます。
4. プロジェクト(ホームページ制作)を進める上で気になる?お話(ほんの一部)
■プロジェクト開始までに抑えておくべきポイント
⇒クライアントを巻き込むこと・深い顧客理解・確認書面の準備と提示
■スケジュール表に必要な情報は?
⇒工程・役割分担・対応者、それから結構大事な項目→各工程の作業期間にはある程度のバッファと確認日数の確保を!(スケジュールが前倒しになることは少なく、大体はおします。
■サーバーやドメインは?
⇒データの置き場所と住所は企業の財産となるので、契約をお願いしてログイン情報を共有してもらうほうがいいです(もちろん代行の場合もあります)
■ホームページが出来上がった後のこと
⇒作って終わりではないのです。いきものなのです。
あ、
↑の『いきものなのです』について語りたいなぁと、ふと思いましたので、次回(があれば)、その内容をお話しましょうかね。
5. 最後に
私のポリシーとして、Webサイトを作ることを最終目的とはしていません。
・生きたWebサイトにするにはどうするべきなのか
・公開後、より価値の高いWebサイトにしていくにはどうしたらいいか
何のために作るのか、どう活用するのか、本来の目的を忘れないように、毎日思い出して思い返して、ブレない運用を行っています。
この記事を書いた人
野々目 千夏 顧客開発部 ディレクター
「”調べる””聞く”インプットと、”話す””伝える”アウトプットのバランスは、心の平衡も保つ重要な要素だと考えています。」
香川県高松市のデジタルマーケティング企業です。
お客様のビジネスでの課題にデータを活用し、スマートに解決する方法を共に見つけるパートナー企業です。
あなたのビジネスの水先案内人でありたい。
アド・セイルの「セイル」とは「船の帆」を意味します。晴れの日も嵐の日も、みなさまの未来への航海を、私たちがご一緒させていただきます。